オフィスづくりのコラム

COLUMN

ムダと思うな「あき」寸法

2019.4.17
  • レイアウト

オカムラ発行の書籍「オフィスと人のよい関係」よりオフィスづくりのヒントをご紹介します。

わたしたちが日常使っている様々な道具、家具や建物の大きさは、人間の寸法(人体寸法)を基準につくられています。
しかし、人体寸法がそのまま、モノの設計寸法になるわけではありません。例えば、空間の設計では、人体寸法とともに、人が行き来しやすいように、また、ゆとりを持って動作ができるように「あき」寸法を含めて考える必要があります。
この「あき」寸法とは、心理的なものまで含んだゆとり寸法のことで"アイルスペース"と呼ばれています。
ここでは、オフィスレイアウトにともなうアイルスペースの具体的な寸法についてみていきましょう。

アイルスペースの最低寸法

オカムラは、千葉工業大学との共同研究で、オフィスの執務室内で人が通行したり、キャビネットから書類を取り出したりするときに、これ以上狭くすると支障が生じる通路スペースの最低寸法を実験から求めました。
その寸法の数例を図で紹介しています。主な通路シーンに、よく行われる"立つ"、"歩く"、"中腰""しゃがむ"などの人の動作シーン、キャビネットの場合は引き出しタイプや引き違い扉、両開き扉などの種類に分けて、それぞれの最低寸法を挙げています。
ただし、あくまでもぎりぎり許容できる最低の寸法なので、全体にゆとりのある執務スペースを考える場合は、この寸法を目安に、広めにレイアウトすることが必要になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
オフィスの利用効率を考えると無駄なスペースを取る訳にはいきませんが、通行しにくい、人の活動を妨げてしまうようなオフィスや、心理的なゆとりを感じないオフィスでは、ワーカーにとってストレスの原因となり、利用しにくい場となってしまいます。
アイルスペースをしっかり確保することで、ワーカーが快適で働きやすいオフィスを実現しましょう。

出典  -オフィスと人のよい関係/岡村製作所(オカムラ)/日経BP社/2007年