教育のDXがもたらす新しい学びの空間

FOREST GATEWAY CHUO

教育のDXがもたらす新しい学びの空間

FOREST GATEWAY CHUO

この記事は2022年3月 8日に公開されたものです

中央大学 様

学生数約25,000名
2021年3月納入

DX時代における最先端の教育施設
FOREST GATEWAY CHUO

中央大学多摩キャンパスに、2021年4月、新たな大学の顔となる建物が誕生しました。 自然豊かな"緑あふれる森のキャンパス"の玄関口に建てられたこの建物は、大学卒業生を含む公募により『FOREST GATEWAY CHUO』と名付けられています。 ダイバーシティとグローバルを推進する象徴的なこの建物は、あらゆる『知』が集合・発信される空間として、学生同士や企業、地域住民など、人々の交流拠点として利用されています。 

オカムラはこのFOREST GATEWAY CHUOへ、ワークブースやアジャイル家具など、変化を続ける教育環境をサポートするためのさまざまなジャンルの製品を納入しました。 DX(デジタル・トランスフォーメーション)時代における教育施設の最先端を、空間の説明とともにご紹介していきます。 

見る、見られる、生み出せる

広大な敷地を有する中央大学多摩キャンパスにおいても、実は学生が屋内で自由に憩うことができる環境は多くありませんでした。 学修や授業のオンライン化が進む中、学生が自ら考え自発的に学ぶ姿勢を育みたい。 そんな想いから、このFOREST GATEWAY CHUOは、多様性と柔軟性を重視しつつ、建物内のあらゆる場所で“見る”“見られる”関係ができています。 

北側エリアは大規模なホールや講義室、南側エリアは小規模な講義室、中央エリアは開放的な吹き抜け空間という明快な構成。 そのいたるところに、学生が自由に集える学びのスペースがあります。 偶然の出会いや他の学生の活動から刺激を受ける体験が、新たな価値を生み出す人財の創出へとつながっていきます。 

施設全体が持続可能であること

FOREST GATEWAY CHUOは自然環境への配慮や感染対策も最先端。 最新の環境シミュレーションを利用して計画された最適な温熱光環境によって、標準的な建物と比べてエネルギー消費を50%以上削減しています。 建物内に設置されたデジタルサイネージで、現在のエネルギー使用状況や二酸化炭素排出量がリアルタイムに可視化される仕組みとなっています。 

3階にあるホールは指定の色の椅子に座ることで、自然とソーシャルディスタンスをとれる設計となっており、賑やかな配色を活かした遊び心のある工夫です。 

一部の建材には、学生も切り出しに参加した多摩産の木材を積極的に活用。 自ら体験することでSDGsが身近になることにつながる等、持続可能な環境配慮型教育施設がここに実現しています。 

後ろ向きに座ってもいいじゃない

建物内に4か所ある『シアター』と呼ばれる劇場型プレゼンスペースは、海外の大学などで見られるような、大階段タイプの講堂。 プレゼンテーションや講義以外にも、グループワークや自学自習スペースとして活用できる新たな学びの場です。 上部は吹き抜けに面しており、ガラス壁もレースカーテンで仕切られているので、開放感や採光性を損なわずに集中して学修に取り組めます。 

ベンチに座りながらもPC作業ができるよう、階段ベンチにはたくさんのラップトップクッションを用意。 実際に稼働してみると想定していた向きとは逆向きに座って学修に取り組む学生も多く、学生の発想力と柔軟性が早速発揮されています。 

身をもって「アジャイル」を体感する

近年の教育現場で注目されているアクティブラーニングを実現できる空間もあります。 アクティブラーニングとは、グループディスカッションやディベートを中心とした能動的学修の手法のこと。 南側エリアの4階にあるラボのような空間では、人数や目的に応じて自由にセッティングを組み替え、グループワークや個人作業が行えます。 テーブルや椅子、ホワイトボードはすべてオカムラのアジャイル家具『スプリント』で構成。 ホワイトボードは意見の共有だけでなく、ブースの仕切りとしての役目も果たす、一石二鳥の働きものです。 

レイアウトや位置の変更にも柔軟に対応できるよう、電源は壁や床ではなく、天井から吊るされています。 学生の自主性や柔軟性を最大限発揮できる、あえて“つくりこまない”設計です。 

*「アジャイル」とは、俊敏に素早く物事を構築していく手法のこと。 

包み込まれるようなセミオープンブース

自由でオープンな空間にも、落ち着いて集中できるスペースは必要です。 南側エリア3階の奥にあるスペースには、周囲の音や目線を気にせずに学修に取り組むことができる集中ブースが設置されています。 壁で区切られた空間ではありませんが、付近を通る学生は自然と大きな音を立てないよう、静かに通り過ぎていきます。 強制ではない、自発的な“規制(ルール)”がそこには存在していました。 

吸音性のあるセミオープンのワークブース『ドレープ』に包み込まれていると、気が付いたらかなりの時間、研究に没頭していることも。 学生ひとりひとりの特性に合わせた環境を用意することで、個人のパフォーマンスを最大限に引き出す、まさにダイバーシティを象徴する取り組みです。 

編集後記

かつては知識の習得に主眼を置いたインプット中心の教育の場も、現在はより創造性が求められ、アウトプット中心の教育手法にシフトしつつあります。 施設環境においても、必要とされるものはオフィスなどの働く場と変わらなくなってきているのではないでしょうか。 “見る”“見られる”仕組みや、自発的に物事に取り組める環境は、多くのオフィスでも求められています。 空間の作り方やコンセプトの置き方は、ぜひオフィスの構築でも参考にしてみてください。 

Project’s Data

大学名
中央大学
所在地
多摩キャンパス 東京都八王子市東中野742-1
規模
学生数約25,000名
Webサイト
https://www.chuo-u.ac.jp/

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